LIMEX(ライメックス)と水、そして環境問題について考える

2020年7月27日月曜日

その他素材

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LIMEX(ライメックス)という素材を知っていますか?
紙のように扱える(印刷したり加工したり)素材、合成紙です。

こんにちは。
紙好き、Kazuhiro Tです。

LIMEX(ライメックス)というのは、石灰と石油系の樹脂からできた素材。
一般的には紙の代替品(合成紙)として活用されています。

そして、さまざまな環境問題の改善、特に水問題の解決につながるとされています。

*詳しくは、「ライメックスとは」をご覧ください。

LIMEX(ライメックス)
LIMEX(ライメックス)

LIMEX(ライメックス)と水

やっぱり、プラスチック?

ライメックスを知らない人が、石灰と石油系の樹脂からできた素材です、と聞いたらプラスチックだと思いますよね。

紙、プラスチックの代替となる新しい素材、と言っていますが、やっぱりプラスチックを連想させます。

水に濡れても破れませんし、熱を加えると溶けます。←紙ではない
ただ、ペンで字が書けますし、折ったり、製本したりできます。←紙のよう

なので、紙とプラスチックの間の素材という感じはしますが。
使用感はほぼ紙と同じと思っていただいて構いません。

似たような素材に「ユポ」があります。
ユポも石油系樹脂でできた素材で、選挙の投票用紙に使われている合成紙です。

関連記事:YUPO(ユポ)非常に使い勝手の良い合成紙です


製造時に水を使わない

話が横にそれました。

LIMEX(ライメックス)は製造時に水を使わないということがアピールポイントになっています。

名刺1箱分で10リットルの水の仕様を削減できるとのこと。
水を節約できるというのは、本当に大きなメリットだと思います。

今年は雨が降りすぎなのでピンと来ないかもしれませんが、節水は都市生活にとって大変需要な問題ですし。

年によっては、降雨量が少なくて苦労することもあります。
国全体として水の使用量を減らすことができれば、それに越したことはありませんよね。

あと、極端に水が不足している地域(世界中にたくさんあります)にとっては、紙の代替品として魅力的でしょうね。

洞窟 石灰岩

 anncaによるPixabayからの画像


LIMEX(ライメックス)と木

製造時に木を使わない

もう一つ、当たり前ですがLIMEX(ライメックス)は製造時に木材(パルプ)を使わないということもアピールポイントになっています。

その代わり、石油由来の樹脂を使っています。どちらが良いのでしょうね?

せっかく、多くの太古の生物たちが地中深くに閉じ込めたCO2を再び地上に戻していることは事実です。

木由来の紙であれば、成長中は大気中のCO2を吸収、固定してくれたことになりますが、LIMEX(ライメックス)はそうはなりません。

さらに分解されにくい素材であるために、自然環境に流出した場合は長く影響が残ることになります。
紙であれば、自然に分解されますよね。
LIMEX(ライメックス)については確実に回収するというのが、最大のポイントになるでしょう。

木を守る?

なぜか、盲目的に木を守ると言っているところがどうかな?と感じています。
適切に管理された森からとれる木材を使う、あるいは間伐材を使うという場合などとの比較ではないようですので。

例えば、日本の林業がしっかり機能すれば、おそらくもっと多くの間伐材などを製紙原材料として使うことが可能だと思います。

国内の森林資源を有効利用し、林業の再生につなげることもできそうです。

問題なのは、不適切な森林伐採(ここ重要)であり、不法伐採→輸入して製紙原料にする、とかとの比較であれば納得できそうではあります。


RitaEによるPixabayからの画像

LIMEX(ライメックス)の廃棄方法

ライメックスはプラスチック系の素材、合成紙なので、廃棄には注意してください。

廃棄方法について

もう一つ、考えておきたいのが、その廃棄方法です。

LIMEX(ライメックス)製品はリサイクルできますが、現在、使用済みのLIMEX(ライメックス)製品の回収方法がまだ確立していません

一部地域(神奈川県)などで実証実験が開始されていますが、どこまでいけるでしょうか?期待して見ていたいと思います。

LIMEX(ライメックス)製品については燃やすことができます。

可燃ごみとして廃棄するか、不燃ごみとして廃棄してください(各自治体の指示に従ってください)。

ただし、「燃料としてのサーマルリサイクルが可能です。」とうたわれていますが、これはリサイクルではありません。単に焼却処分しているだけですね。

他の素材の回収には出さないで

さらに、既存の回収方法・ルートには出さないでください、というものがあります。
要するに、古紙回収、容器包装リサイクルなどです。

ここにLIMEX(ライメックス)が混ざってしまうと異物になってしまいます。
分別に手間と金がかかることになりますので、十分にご注意ください。

合成紙(ライメックスやユポ)だけの回収ルートを造れれば、かなり有益な事業になるのではないでしょうか?

まとめ

ここまで考えてきたことを振り返っても、現状ではもろ手を挙げて賛成!とはならなさそうです。

まだまだ、これから解決していかなければならない部分の多い素材だと感じます。

ただ、これからの展開に期待を持って応援していきたい素材であることは間違いありません。

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印刷会社の営業マンです。東京都台東区~墨田区が拠点。本、印刷、紙、歴史、街歩きが大好き。趣味で週末ランニングを楽しんでいます。最近はスマホの普及に押されて肩身が狭くなっていますが、紙の魅力も見直されているように思います。これからも、紙製品の良さをどんどん発信していきますので、よろしくお願いします。

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