オフセット印刷とは?印刷の仕組みとメリットについて解説します

2020年10月13日火曜日

印刷

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オフセット印刷ってどんな技術なのでしょうか?

オフセット印刷の仕組みやメリットなどを、とにかく簡単に分かりやすく解説してみたいと思います。



こんにちは。

Kazuhiro Tです。


paine_zによるPixabayからの画像

オフセット印刷とは?【仕組み】


私たちは普段よく目にしている紙のパンフレットやチラシ。

そこに使われている技術が「印刷」です。


そもそも印刷とは?


まず印刷がどんな技術かというと、「大量の複製を短時間で作る技術」です。

大量に短時間で作るということは、結果的に安上がりだということ。

さらに、紙という安価で加工性に優れた素材を利用していることも特徴です。



活版印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷・・・そしてオフセット印刷。

さまざまな印刷方式があります。最近ですと、オンデマンド印刷とかデジタルプリントとかも。

中でも現在、世界中で主流となっているオフセット印刷という技術は、「大量、短時間」というところに特化した印刷技術だと言えます。



水と油の反発を利用した仕組み


「オフセット」というのは印刷の原理のことを言います。

印刷版(アルミ板)から一度ゴムの板に転写して(オフ)して、紙に再転写(セット)します

オフしてセットするので、オフセット印刷です。

この時に利用するのが、水と油の反発です。

  1. 印刷版に、水と相性の良い部分と油に相性の良い部分を作ります。
  2. 油と相性が良い部分にインキが乗ります。
  3. インキを乗せたくない部分をみずで湿らせます。
  4. これを紙に転写すると、インキ部のみが印刷されます。
*印刷用語:印刷業界では「インク」とは言わず、「インキ」と言います。

この、水と油の反発というのがポイントで、よくこんなこと思いついたな~と感心します。

微細な点(網点と言います)をうまく再現するのに、こんな適した原理は他になかったんでしょうね。

ちなみに、この原理のおおもとは「リトグラフ(石版印刷)」だと言われています。

イメージは印刷よりも版画に近いでしょうか。

日本では、大正時代ぐらいまでのカラー印刷(タバコのポスターなどは)はリトグラフだったことも、今では忘れ去られていますが。



さて、オフセット印刷の仕組みは(ほぼ)完成した技術だと言われています。

今後はインクジェット方式に取って代わられるのか、あるいはオフセット印刷の優位性は揺るがないのか。

どこまで技術が進歩するのか、見ものです。



オフセット印刷とは?【メリット・デメリット】


オフセット印刷は非常に使いやすい技術ですが、メリット・デメリットがあります。


オフセット印刷のメリット

  • 版を使った印刷のため、同じ品質の印刷物を大量に作ることができる
  • 大量に印刷した場合、印刷費用が安く上がる
  • イラストや写真、文字の再現性が良い、キレイ
  • かなり大きいサイズの印刷もできる
  • 使える紙の種類がとにかくたくさんある
  • 多色印刷(カラー4C+特色も)ができる


オフセット印刷のデメリット

  • データ作成(製版)にお金がかかるため、小ロット印刷では単価が上がる
  • データ作成(製版)の時間が必要なため、納期が長くなる
  • 部分的に内容を変えたいような印刷物には向かない


オフセット印刷のデメリットを補う印刷が、オンデマンド印刷です。

小ロット、超短納期、バリアブル(1枚ずつ印刷内容を変えられる)印刷に特化した印刷方式です。

デジタルデータから直接印刷機で出力できるのが強みで、今までの印刷ではできなかったこまごまとした要望に対応できます。



もう一つ、版の違いについて


印刷機によって使われる版が違います。


主な版の種類と印刷方法


① 凸版:出っ張った部分にインクをつけて印刷する版 活版印刷

② 凹版:へこんだ部分にインクを落として紙に印刷する版 グラビア印刷

平版:読んだ通りの平らな、おうとつがほとんどない版 オフセット印刷

④ 孔版印刷:紙や布などに穴をあけ、その穴からインキを浸み込ませて印刷する版 シルクスクリーン印刷

どの印刷方式にも、特徴、長所短所があります。

用途、印刷する素材、予算などに従って、最適な印刷方法を選びます。


最近人気の活版印刷・シルクスクリーン印刷


最近、静かなブームになっているのが、活版印刷やリソグラフ、シルクスクリーン印刷などのアナログ感の漂う印刷です。

紙雑貨の展示会・イベントでは紙雑貨大好き女子に大人気でもあります。


皆さん、印刷のチョットしたカスレ、滲み、色のブレなどに、どことなく人のぬくもりを感じているようですね。

デザインも凝っていて、紙にも強いこだわりがあったりして、なかなかのものだといつも感心しています。


オフセット印刷も、そのうち「レトロ印刷」のくくりに入る日がくるのでしょうか?

それはそれで面白いかも。

特色の特練り(特別な色のインキを練って作ること)などの職人技も、後の世に伝えたい技ではあります。



最後に


今日は、オフセット印刷の仕組み、原理について解説しました。

いかがでしたか?

できるだけ分かりやすく説明したつもりなのですが・・・



他にも、カラー印刷の仕組みや印刷機について、製本・加工についてなど、皆さんにお伝えしたいことはたくさんあります。

このブログでも、少しずつ、印刷技術や関連する技術などに関する情報を発信していきたいと思います。

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印刷会社の営業マンです。東京都台東区~墨田区が拠点。本、印刷、紙、歴史、街歩きが大好き。趣味で週末ランニングを楽しんでいます。最近はスマホの普及に押されて肩身が狭くなっていますが、紙の魅力も見直されているように思います。これからも、紙製品の良さをどんどん発信していきますので、よろしくお願いします。

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